生物学翻訳、学術論文翻訳、環境翻訳担当の平井です。
リソソーム(lysosome)は、ゴルジ(golgi)装置から出芽した小胞が融合して作られます。膜にプロトン(proton)を輸送するポンプタンパク質を持っていて、ATP分解のエネルギーを使用してプロトンを取り込んでいます。そのため、袋の中はpH4〜5くらいの酸性です。また、タンパク質、糖質、脂質、核酸などを分解する40種類を超える酵素があります。これらの消化酵素は酸性の条件でよく働きます。
リソソームは、細胞外から取り込んだものや、細胞内で不要になったオルガネラなどを消化する役割を持っています。さらに、バクテリアを貪食する白血球や、死んだ細胞や壊れた組織を貪食して掃除するマクロファージ(macrophage)に非常にたくさん含まれていますが、すべての細胞に含まれているものでもあります。
消化したものは、その後どうなるのでしょうか。消化されてできた糖、アミノ酸、核酸などの低分子化合物(small molecule compound)は、リソソームの膜にある輸送タンパク質によって、物質ごとに特異的に膜を通過してサイトゾル(cytosol)へ輸送され、再利用されます。まさにゴミ処理工場ですね。
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