生物学翻訳、学術論文翻訳、環境翻訳担当の平井です。
これまでは生産者(producer)から消費者(consumer)に商品が渡る過程で、卸売業者(wholesaler)の仲介が不可欠でした。しかし、卸売業を経由する間にかかる物流コストはかなりのものとなっていました。
こうした状況を避けるために卸売システムの効率化が指摘されてきました。けれども日本的な商習慣とも密接につながり、なかなか物流システムの改革には着手できなかった現状があります。しかし今では、卸売業の物流機能がIT武装の徹底によって強化されています。
たとえば食品・酒類などを取り扱う食品卸最大手の国分は受発注のオンライン化などのIT武装を積極的に推進しています。その結果、卸売業起点の高度なロジスティクスシステムの構築に成功して大きな売上高を実現しました。ただしその一方で、負け組企業も増える結果となりました。物流改革に遅れた中小卸売業者の倒産も相次ぎました。また大手卸の系列に吸収、統合されるケースも多々見受けられます。
生産者ではなく消費者を起点とする卸売業のビジネスモデルが主流となったため、メーカーや小売業者とも連携を図りながら、卸売業全体での商品情報データサービスの共有化やメーカー共同物流を目的とした事業に取り組む必要があります。
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