翻訳家によるコラム「分子生物学・バイオ技術・環境コラム」

高橋翻訳事務所

分子生物学・バイオ技術・環境コラム

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2013/04/18
遺伝子クローニング

生物学翻訳、学術論文翻訳、環境翻訳担当の平井です。

今日のテーマは、遺伝子クローニングの方法「ショットガン法」、遺伝子ライブラリー、ファージベクター、タンパク質を産生する細胞内翻訳会社についてです。

ある細胞に含まれるDNAの中から、特定の遺伝子のみを単離・増殖させることを遺伝子クローニング(gene cloning)といいます。遺伝子クローニングの方法にはいくつかありますが、クローニングの目的、当該生物の種類、入手可能な生体材料、当該遺伝子に関する既知情報に応じ、適宜使い分けがなされています。

ある細胞の染色体DNA(外来DNA)を制限酵素で切断したのち、同一酵素で切断したプラスミドないしファージベクターとDNAリガーゼを用いて連結して宿主細胞に導入します。こうして得られる形質転換体のコロニーあるいは形質導入体のプラークは、それぞれ別々の外来DNA断片を含む独立したクローンです。これらのコロニーないしプラークの集合物は、当該細胞の染色体DNA上のすべての遺伝情報を含むクローンの集合物であり、遺伝子ライブラリー(gene library)とよばれます。遺伝子ライブラリーの中から目的とする遺伝子を含むクローンを選び出すことをスクリーニング(screening)といいます。

スクリーニングの方法としては、DNA-DNA間における塩基配列の相補性が高い場合に、二重鎖を形成することを利用した方法や、目的遺伝子にコードされて細胞内翻訳会社産生のタンパク質の持つ活性を指標に選抜する方法、目的遺伝子にコードされる翻訳済みタンパク質に対する抗体を利用して抗体と反応をするクローンを選抜する方法などがあるため、目的とする遺伝子あるいはタンパク質に関する情報量に応じて、これらの方法を適宜使い分ければよいのです。


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