翻訳家によるコラム「分子生物学・バイオ技術・環境コラム」

高橋翻訳事務所

分子生物学・バイオ技術・環境コラム

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2013/04/17
2つの言語が行き交う家庭で育った子供

生物学翻訳、学術論文翻訳、環境翻訳担当の平井です。

英語(English)と日本語(Japanese)という全く異なる言語環境(linguistic environment)の中で育っている乳幼児を対象に研究が行われた結果、2つの言語が行き交う家庭で育った子供は、生まれてから7か月以内の間に2言語を区別する能力を身に付けていることが明らかになりました。

2つの言語を並行して話せるようになった子供では、言語の音調(intonation)などを識別する特別な能力が発達しているそうです。日本語オンリーで育った者にとってはたいへんうらやましい限りです。

学術論文の共著者は、「乳児期(early childhood)に語順の異なる2言語を聞いて育つと、言葉の調子や長さを特定できるようになることが、この研究によって示された。2言語環境で育つ乳児を対象に研究を行えば、言語習得(language acquisition)のメカニズムを解明できる」と話しています。

世界中の多くの国では日常で複数の言語が用いられているため、この研究を基に言語習得のプロセスを解明すれば、教育内容などを大きく改善できるかもしれません。巷ではさまざまな言い分で英語教材が売られていますが、真の英語学習法が確立した場合、翻訳者にとっては死活問題になる危険性があります。


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