翻訳家によるコラム「分子生物学・バイオ技術・環境コラム」

高橋翻訳事務所

分子生物学・バイオ技術・環境コラム

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2013/03/08
電子媒体に含まれる希少金属(レアメタル)

生物学翻訳、学術論文翻訳、環境翻訳担当の平井です。

携帯電話や小型電子機器(microelectronics)には、金や銀などのレアメタルがたくさん含まれることから、これらは都市鉱山だなんて呼ばれていますね。

金1gを取り出すのに掘り出す岩石が1tに上るのに比べ、携帯電話を回収すると、1tの携帯電話から150gの金を取り出せるというから驚きです。関連業者が必死になるのもわかりますね。排水中の金属回収技術としては、金などの価値の高い金属であれば、金属濃度が1mg/?以下のごく低い場合でもイオン交換樹脂(ion-exchange resin)に吸着させて、濃縮する方法が取られています。メッキ廃液やプリント基板排水などに含まれる銅やニッケルなどは、凝集沈殿法(coagulation-sedimentation method)で水酸化物(hydroxide)の脱水ケーキ(dehydrated cake)にし、金属メーカーの精錬所に運搬するなど、原料として回収再利用されています。排水中に有価物(valuable substance)として回収する金属以外の固形物や他の金属類が多く含まれる場合は、凝集沈殿法では脱水ケーキ中の不純物も多くなり、回収価値が低下してしまいます。この場合、廃水を分別して不純物を混入させないことや無機凝集剤を併用しないことなどの対策が必要です。また、水酸化物以外にも硫化物や酸化物にして回収する方法や、電気分解の原理を応用して電極に金属を析出させる方法なども実用化されています。

また、廃水を処理して透過水を回収し、濃縮水を有価物回収するなどの高度な回収技術が採用される場合もあります。


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