翻訳家によるコラム「分子生物学・バイオ技術・環境コラム」

高橋翻訳事務所

分子生物学・バイオ技術・環境コラム

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2013/03/04
アルツハイマー対策としてのアルミヤカンから南部鉄ビンへの代替

生物学翻訳、学術論文翻訳、環境翻訳担当の平井です。

アルミニウムは神経系に多く分布し、脳内濃度(inercerebral concentration)はそれほど変化しません。また、アルミニウムはスクラルフォートとして制酸作用(acid control action)や抗潰瘍(anti-ulcer)の薬理作用があります。そのほかアスピリンアルミニウム(aspirin aluminum)は鎮痛(analgia)、解毒作用(antidotal effect)があります。

しかし、アルツハイマー型痴呆症患者にはアルミニウムの脳内濃度が異常に高いことから、アルツハイマー病はアルミニウムの脳内蓄積が原因ではないかと疑われています。これに関しては1980年代の後半にイギリス、カナダを中心に疫学調査が行われ、水道水に含まれるアルミニウム濃度の高い地方と低い地方でのアルツハイマー病の発症率に1.5倍ほどの違いがあることが確認されています。

台所の調理器具や食器類などを見ると随分このアルミニウムが使われています。その理由はいろいろありますが、アルミは比較的値段が安く、重さが鉄の3分の1、展性(ductility)、延性に富み常温では酸化しない銀白色の柔らかな金属だからです。またアルミニウムは食材と接触しても毒性が少ないなどの理由が挙げられます。

私もアルツハイマーとアルミの関係には敏感で、数年前からアルミ鍋やヤカンを使わないよう努力しています。


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