翻訳家によるコラム「契約書・政治経済・アート・スポーツコラム」

高橋翻訳事務所

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2011/02/14
大相撲の八百長疑惑について

契約書翻訳、経済翻訳、政治翻訳、スポーツ翻訳担当の佐々木です。

警視庁(Metropolitan Police Department)が野球賭博事件(illegal baseball-gambling case)の捜査で押収した現役力士の携帯電話から、八百長相撲(bout-fixing)を疑わせる内容のメールが見つかりました。関与が疑われる力士の数は現時点で14名となり、そのうちの1名が八百長を認め、すでに引退届を提出しています。八百長を罰する法律は存在しないため、警視庁は立件(assembling a case)を見送る方針ですが、八百長は相撲ファンだけでなく、スポーツ界全体に対する裏切り行為であり、厳しい対応が求められます。

八百長のやり取りをしていたメールは、野球賭博事件が明るみに出た際に消去されていましたが、警視庁が復元して確認したところ、取り口を事前に確認したり、勝ち星を売買していたという内容のものが含まれていました。大相撲では、幾度となく八百長疑惑が取りざたされてきました。元力士が八百長相撲の存在を証言したこともあります。これに対し、日本相撲協会(Japan Sumo Association)は「八百長は存在しない」と主張してきました。放駒理事長も、「過去には一切なかった」と否定していますが、無気力な取組があることも事実であり、八百長相撲の存在を疑っていたファンも少なくありません。

今回の八百長疑惑を受け、協会は春場所(spring tournament)の中止を決めました。また、巡業の開催も当面は見合わせることを発表しています。本場所が中止となるのは、国技館改修の遅延によって夏場所が開催されなかった1946年以来となり、今回の中止は相撲の歴史に大きな汚点を残すことになりました。財団法人(incorporated foundation)の取り消しを含め、厳正な処分を下さなければ、相撲界のウミを出し切ることは不可能でしょう。


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