契約書翻訳、経済翻訳、政治翻訳、スポーツ翻訳担当の佐々木です。
今回のテーマは4月13日に来日したアウン・サン・スーチー氏についてです。
ノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)の受賞者で、ミャンマー国民民主連盟(NLD: National League for Democracy)の党首も務めるアウン・サン・スーチー氏が27年ぶりに日本を訪問しました。滞在は19日までの一週間で、安倍首相など政府関係者との面談や京都大と龍谷大での講演も予定されています。
アウン・サン・スーチー氏は、「ビルマ建国の父」として今も国民から敬愛されているアウンサン将軍の長女であり、ミャンマーにおける非暴力民主化運動のカリスマ的存在です。軍事政権から15年もの間、自宅軟禁(house arrest)されていましたが、その間も支援者とともに民主化を訴え続けてきました。2010年に軟禁を解除され、2012年に行われたミャンマー連邦議会補欠選挙で当選し、政治舞台への復帰を果たしています。しかし、その後は少数民族問題への消極的な対応が目立ち、国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch)の報告書では、「少数民族の人権保護に消極的で失望している」との批判も受けています。
ミャンマーでは軍事政権から民政に移管して2年が経ち、政治犯の釈放やオバマ米大統領の訪問など、国際社会との関係を築きつつあります。しかし、依然として宗教対立や少数民族の問題は解決の糸口が見えていない状況です。一人の野党議員として限界はあると思いますが、アウン・サン・スーチー氏には最後まで民主化運動のリーダーとしての姿勢を示してくれることを期待します。 |