契約書翻訳、経済翻訳、政治翻訳、スポーツ翻訳担当の佐々木です。
今回のテーマは毎日のようにニュースで取り上げられているPM2.5についてです。
PM2.5のPMは「particulate matter」の略語で「粒子状の物質」を意味し、直径が2.5マイクロメートル以下の超微粒子を指します。大気汚染の原因とされている浮遊粒子状物質(SPM: suspended particulate matter)は環境基準として10マイクロメートル以下と定められていますが、それよりも小さい粒子のため通常のマスクでは防ぐことができません。また、PM2.5は粒子が小さいため肺などの奥深くにまで達するため、ぜんそくや肺ガン、気管支炎を引き起こす可能性が高いと考えられています。
環境省によると、主な発生源はボイラーや焼却炉など煤や煙を排出する工場や自動車の排気ガスであり、日本でも平成21年に1日平均で大気1立方メートル当たり35マイクログラム以下という環境基準(environmental standard)が定められました。しかし、先月以降は日本国内の各地域で基準を大きく上回る値が観測され始めています。専門家によると中国の大気汚染物質が風の影響で日本にまで届いている可能性が大きいとのことですが、現段階では特定ができていません。また、春には黄砂(Asian dust)とともにPM2.5も大量に飛来するという予測もあります。環境省はPM2.5の観測点を1,300地点に増やして対応し、ホームページ上でも情報提供を行う方針を示しました。
空気中に飛んでいる微粒子は目に見えず、特に子どもやお年寄りへの健康被害が不安視されています。原因を特定することは難しいですが、必要であれば周辺国とも積極的に協議して一刻も早い対策を取らなければならないでしょう。 |