契約書翻訳、経済翻訳、政治翻訳、スポーツ翻訳担当の佐々木です。
今回のテーマは、石原都知事の尖閣諸島購入発言についてです。
4月16日にワシントンで講演した石原東京都知事は、都が尖閣諸島の購入へ向けて調整を進めていることを明らかにしました。また、都知事は日本政府の尖閣諸島への対応が不十分と批判し、「東京都が尖閣諸島を守る」との決意を示しています。尖閣諸島は東シナ海(East China Sea)の南西部にあり、現在は無人島ですが、大正島が国有地である以外はすべて私有地となっています。都によると、そのうちの魚釣島と北小島、南小島を購入対象としており、個人所有する地権者との間で極秘に交渉が進められてきました。
この発言を受け、中国と台湾からは大きな反発があり、自民党の石原幹事長が20日から予定していた中国訪問を急きょ中止にする事態となっています。しかし、尖閣諸島の領有権(territorial right)は1895年に明治政府が日本領土に編入して以来日本にあり、一時期は工場などもありました。中国と台湾が領有権を主張し始めたのは1970年頃に行われた尖閣諸島付近の海底調査で石油や天然ガスなど地下資源埋蔵の可能性が指摘されて以降で、天然資源(natural resource)目当ての行動であることは目に見えて明らかです。
島根県の竹島でも韓国との領有権争いが続いていますが、これまで領有権の問題を棚上げにしてきたしわ寄せがあらためて浮き彫りとなりました。国家の領土を守るべく、東京都ではなく日本政府が毅然とした対応を取り、領有権を主張しなければ、今後も同様の問題が増えてくることは必至でしょう。 |