契約書翻訳、経済翻訳、政治翻訳、スポーツ翻訳担当の佐々木です。
今回のテーマは復興庁(Reconstruction Agency)の発足についてです。
震災から11か月が経過した2月10日、復興庁が発足しました。平野達男参議院議員が初代の復興大臣に就任し、本庁(central government office)を東京、盛岡と仙台、福島に復興局、沿岸部の自治体に8つの支所や事務所が設けられています。復興事業(reconstruction project)を担う各省庁の調整役として期待が高まる一方で、早くも懸念の声も上がっています。
野田政権は復興庁を「ワンストップ窓口(one-stop service)」とし、被災地からの相談を一手に引き受ける点を強調しています。しかし、職員250名のうち160名が本庁勤務の体制で、果たして地方からの相談や要望にきめ細かな対応をすることは可能なのでしょうか。また、復興庁は総額2兆円近い復興交付金(reconstruction subsidy)の配分も担っていますが、対象となる事業は5つの省が所管する40事業のみに限られている点も疑問が残ります。インフラ整備に重点を置くことはもちろん重要ですが、対象事業が偏っている感は否めません。
復興庁は2021年3月31日までに廃止となる時限組織ですが、被災地の現場では何が起きていて、何を求められているのかを迅速かつ正確に見極めるためにも、地方自治体だけでなく他の中央省庁との連携を密にとる必要があるでしょう。 |