契約書翻訳、経済翻訳、政治翻訳、スポーツ翻訳担当の佐々木です。
今回のテーマは12月17日に死去した金正日(Kim Jong-il)総書記(general secretary)についてです。
父である金日成(Kim Il-sung)主席の死後、17年間にわたって北朝鮮の最高指導者を務めてきた金正日総書記が死去しました。死因は心筋梗塞(myocardial infarction)と見られていますが、朝鮮中央テレビ(Korean Central Broadcasting Station)が特別放送で死去を発表したのは2日後の19日だったため、死亡日時や死因についてはさまざまな憶測を呼んでいます。
北朝鮮のメディアは後継者として三男の金正恩(Kim Jong-un)氏が就任すると報じていますが、28歳の金正恩氏は2010年に初めて政治の表舞台に登場するなど経験も浅く、軍内部での影響力もほとんどありません。そのため、当面は金正恩氏を表に立て、側近が裏で支える体制が続くと予想されています。
金正日総書記の死去により、日本を含めた世界の対北朝鮮政策はどのようになるのでしょうか。もっとも懸念される問題の1つとして、北朝鮮の核開発があります。6カ国協議(six-party talks)は2008年から行われていませんが、まずは北朝鮮を交渉のテーブルに引き出すためにも、早期に6カ国協議を再開する必要があるでしょう。また、日本にとっては拉致問題も未解決のままとなっています。金正日総書記は拉致の事実を認めましたが、その後の調査は事実上行われておらず、根本的な解決には程遠い状況が続いています。
金正日総書記の死去により北朝鮮の政治体制が大きく変わる可能性がある今回、北朝鮮への圧力を強めるためにも、北朝鮮への最大の支援国である中国を中心として世界各国が連携を深め、柔軟かつ迅速な対応を取ることが求められます。 |