翻訳家によるコラム「契約書・政治経済・アート・スポーツコラム」

高橋翻訳事務所

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2011/10/24
カダフィ大佐の殺害について

契約書翻訳、経済翻訳、政治翻訳、スポーツ翻訳担当の佐々木です。

今回はリビアの最高指導者、カダフィ大佐の殺害についてです。

42年にもわたりリビアを支配してきたカダフィ大佐(Muammar Gaddafi)が殺害されました。反カダフィ派組織の国民評議会(national transitional council)によると、カダフィ大佐の出身地であるスルトにて掃討作戦を行った際に逃亡中の大佐を排水口で発見し、銃撃戦の末に死亡したとのことです。血まみれのカダフィ大佐の映像も公開され、戦闘の凄まじさを物語っていました。

内戦勃発から8ヶ月が経ち、チュニジアやエジプトで始まった「アラブの春(Arab spring)」はついにリビアでも終焉を迎えました。国民評議会は近く全土解放を宣言し、新しい時代が幕を開けます。まずは、政治体制の構築が最優先課題です。カダフィ体制では議会も憲法もなかったため、ゼロからの出発となります。国民評議会は暫定政権(interim government)の準備を急いでいますが、組織内にはさまざまな勢力が集合しているために権力争いが起こるのではないかとの懸念もあります。また、治安を回復させることも急務となっています。内戦(civil war)で生じた混乱をすみやかに収束させるためにも、軍や警察を整備しなくてはなりません。

北大西洋条約機構(NATO:North Atlantic Treaty Organization)はイギリスとフランスが主導となり、カダフィ政権崩壊の一助を担いました。NATOには正式な政府が発足するまで責任を持って支援を続けることが求められます。また、リビア国民が一日も早く民主化の恩恵を受けられるよう、日本も積極的な支援を展開する必要があるでしょう。


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